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2008年7月24日 (木)

蒸きょう第一主義

昨日からの続きとなります。

「蒸米から見た酒造」は、決して「テム・レイの回路」なんかではありませんでした。

中村政五郎氏の「蒸米から見た酒造」を読み、激しく同意した人物がいました。

東京税務監督局鑑定部長の鹿又親(かのまたちかし)氏です。

ほぼ同時期に東京税務監督局管内において「蒸きょう第一主義」を標榜し、「蒸米の完全」を指導していたのです。

「蒸米から見た酒造」を読んだ鹿又氏は、「吾人は百萬の見方を得た心持がした」と言っています。

西の中村政五郎、東の鹿又親。

「櫂でつぶすな麹でとかせ」

鹿又氏は、この有名な言葉の発案者です。

酒造の根幹が「蒸米」にあるとする考えの二大源流。

「一に蒸し、二に蒸し、・・・」で知られる故・上原浩氏の師匠は、鹿又親氏の門下生の有松嘉一氏ですので、鹿又親氏の孫弟子ということになります。

余談ですが、戦前の造りに関して上原氏に質問したところ、「あんたは良く勉強しておる!」と言ってうまく逃げられたことを思い出します。戦前の造りをあまりご存じないようでした・・・。

東京税務監督局内では、「酒造工人必携」、「酒造工場管理法」などの実践的酒造技術書を毎年のように改訂・増補を繰り返しており、酒造技術が日進月歩で向上していた様子が見られます。

しかし、昭和14年に山形で行われた酒造大会直前に鹿又氏が急逝し、戦況の悪化により、精白制限、企業整備、アル添などが行われ、「質より量」の時代が到来し、造れば売れる時代が到来したことで、この「蒸米」を根幹とした酒造りは忘れ去られることになります。

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コメント

大変興味深く拝見しています。
でも、「ティム・レイの回路」はガンダム世代でないと判らないと思います。私も判らず調べてしまいました。

投稿: 蔵人S | 2008年7月24日 (木) 16時40分

蔵人Sさん、いつもお世話になってます。

昨日、兄からも例えがわかりづらいと言われました(苦笑)。

他にあてはまるものがなく、世代限定の表現をしてしまいました。

こんなブログですが、これからもよろしくお願いします。

投稿: わがまま店主 | 2008年7月24日 (木) 16時51分

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