« 酸い、粋、酔~っと | トップページ | 老香と言われてもよくわからない »

2008年8月13日 (水)

味本不生(あじほんぷしょう)の境地

東京での講習会疲れがまだ続いています。

講習会では、いわゆる分析型のきき酒の手法の勉強でした。

酒にある香りの特定と由来、強弱を見る。

酒における主客一致の精度を高める訓練。

正直、だいぶ戸惑いました。

今までやっていた評価型とは異なりましたから。

知らず知らずのうちに、きき酒の仕方に癖がついていることがわかっただけでも出た意味がありました。

今回の講習会を通して学んだこと。

酒をみるときには、「思い込み」という主観が客観として現れる、ということでした。

「見る」という行為を通して見える客観は、自分自信の意思とは関係なく、「疑えないもの」として現れ、他人と共有していることを疑うことがありません。

しかし、「酒をきく(みる)」という時には、個人の身体性に影響されやすく、加えて、「思い込み」という主観で、自分の都合の良い味を構成してしまうのです。

味覚において、共通認識が生まれづらいのはここにあります。

たとえば、カプロン酸エチルの香りが好きな人が、香りが良いという特性と甘味に着眼することで、無意識に苦味やエグ味に目を閉じてしまっているということがあります。

「この酒は良い酒である」と信じた時には、無意識に自分の都合が良いように味覚を構成しているのです。逆の場合にもあてはまります。

このことから言えることは、とにかく、第一印象が大事ということです。

最初で失敗した経験をもつと、次に飲んだときにも同じ欠点を探すようになります。そういう見方で酒をみると欠点を無理やりにでもひっぱり出してくるものです。

他社より他の酒より「より良いもの」であるという保証。

これに尽きると思います。

「味覚は本能ではなく、個々人により言語化された恣意的な感覚である。」

本日、大阪からお越しになったお客様ありがとうございました。

当店の第一印象はいかがでしたでしょうか?

※8月18・19・20日の3日間、「正酒屋 六根浄」は夏休みをいただきます。よろしくお願いいたします。

Photo

|

« 酸い、粋、酔~っと | トップページ | 老香と言われてもよくわからない »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

件の大阪から初めてお邪魔した者です。
わざわざありがとうございます。

「日本酒復権への第一歩」時代からブログをよく拝見していたので胸躍らせながら伺いました。

お店の雰囲気や置いてあるお酒などはブログで窺っていたので大体イメージどおりだったのですが、やはりあの蔵書の種類と数は圧巻ですね。何冊か借り出したいくらいでした。
そして何より、店主さんが思っていたより随分お若いのが衝撃でした(笑)

購入させていただいたプレミアム六根浄は、1本はほとんど親類に飲まれてしまいましたが、もう1本は大阪に持ち帰って楽しませていただきます。

今度はおそらく年の瀬にお邪魔します…と思ったのですが、考えてみれば、仕込みのシーズンでも六根浄さんはオープンされているんでしょうか…?

投稿: IDA | 2008年8月15日 (金) 16時13分

コメントをいただきありがとうございます。私、六根浄のおもてなしスイーツ部門担当のスタッフAと申します。大阪からお越しいただいたのに不在にしており、ゆっくりおもてなしもできずに失礼いたしました。正酒屋六根浄は、12月~2月の冬期間、店主が酒造りの為、店舗としては開け続けるのが難しいと考えています。この期間はインターネット、ファックス等でのご注文受付にさせていただく方向で検討中です。ご不便をおかけしますが何卒よろしくお願いいたします。

投稿: スタッフA | 2008年8月15日 (金) 22時45分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/516076/42155289

この記事へのトラックバック一覧です: 味本不生(あじほんぷしょう)の境地:

« 酸い、粋、酔~っと | トップページ | 老香と言われてもよくわからない »