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2009年7月

2009年7月31日 (金)

酒は自分を映す鏡である

何の趣味でもそうだと思うのですが、趣味の社会は素養・修練によって奥深い世界を垣間見ることができるものだと思っています。

初心者には初心者の楽しみ、経験者には経験者の楽しみ、それぞれ違って当たり前です。

前者はわかりやすく、後者はわかりにくい、というのが一般的な図式でしょう。

通常、それぞれの世界で、より深い世界へナビゲートしてくれるプロフェッショナルがいるわけです。

ワインの世界ではソムリエ、日本酒の世界では・・・。

私が見るに、多くの人が日本酒の深遠な世界の入り口付近でグルグル回っている状態。

日本酒の入り口付近では、どう見ても入門酒でしかない酒をこの酒最高!という感じで声高に叫ぶ人がいるもんだから、なかなか奥に入っていくことができない。

私が思うに、日本酒は良しも悪しくも「薀蓄」の酒。

薀蓄の物語性の強度が日本酒のブランドを決定します。

たとえば、純米酒だけを造っている蔵、米から栽培している蔵、海外で賞をもらった等々、味そのものよりも物語での差別化をいち早くできた蔵元がブランド確立に成功しています。

しかし、世間で高評価を得ている酒の味を実際飲んで見て、期待していた味とのギャップに驚いた経験があると思います。

だいたいが小売店の管理の悪さのせいにすることで、物事の本質に迫ることができませんでした。

世間での評価の高さが日本酒の品質の良さを保証するものではない現状、つまり、日本酒における評価基準の共通認識の不成立状態が招いた結果が消費者を混乱させているような気がしてなりません。

おかしいものはおかしいと言える人がいなければ、なんでもありになってしまいますよね。

日本酒に今、必要なのは、良質の語り部の育成。

そういう意味では、官能検査のプロとして清酒評価の共通言語を持った「清酒専門評価者」の今後の活躍に期待したいものです。

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2009年7月30日 (木)

「造る」よりも「引き出す」ということ

「正酒屋 六根浄」で、プンプン追討の狼煙を上げてからというもの、プンプン系蔵元さんはおちおち枕を高くして寝れない事と思います。どうもすみません。

価値観の転換は飽和点を超えた時に、ガラリと変わってしまうものです。

カプロン酸追討関東総大将の迫力は、我が世の春を謳歌している山形に風雲急を告げているようです。

あれを飲んでしまうと、六根浄はいまひとつ・・・、などという声も聞かれ、心中複雑なものがございます。

ただ、私が言いたいのは一つ。

酒の出来は、米に由来するということ。

「雄町」と「はえぬき」を比べられても困るということです。

「馬鹿な子供を生んで、先生に賢く教育してほしいと望むのは不可能を強いることであり、先生は、馬鹿な子は馬鹿なりに、賢い子供は賢いようにその天分を引き出せば、教師の責任は達せられているのと同様である。」

山田錦とササニシキの違いを子供の教育にたとえて言った兵庫県の技術コンサルト野々口辰夫氏の言葉です。

馬鹿な子は馬鹿なりにしっかりと育て上げたのが「純米酒 六根浄」なのです。

雄町はいわば旧家のご子息みたいなものです。うちの馬鹿息子と比べるなんて・・・(苦笑)。

さらに、現時点での熟成の度合いが異なるということも味の差となって現れています。

使用酵母、水の硬軟、を考えるとどうしても現時点では関東総大将に分があります。

しかし、時間が経つと逆転する時が来る・・・かもしれません。

こういった楽しみがあるのが、プンプンしていない酒の楽しみなのです。

米の違いを見えづらくし、熟成の妙味に与れないのがプンプン系バイオ酵母の欠点と言えます。

馬鹿な子供が賢く見えたり、賢い子供を凡庸にする・・・、そんな世界はおかしいんです。

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2009年7月29日 (水)

気仙沼は日南より都会でびっくり

朝からこのコメントに腰を抜かしていたところです。

この時期の気仙沼港には、カツオの1本釣り漁船が宮崎県、高知県、三重県などから集まっています。

冒頭のコメントは、気仙沼市の招きで訪れた宮崎県日南市の児童のコメントです。

カツオ漁の間、しばらく家に帰ることのできない漁師さんのところへ夏休みに子供が会いに来る・・・、気仙沼市も粋な計らいをするものです。

子供は素直でいいですね・・・、気仙沼のどこらへんを見て言った言葉なのか、興味がありますけれど。

ところで、気仙沼で旨いカツオを出す店と言えば、「福よし」さん。

「純米酒 六根浄」も隠し酒で用意してあるんです。

福よしさんの親方も春先の「純米酒 六根浄」の状態を見て、素っ気ない酒だと思っていたそうです。しかし、最近に来てからの味の乗り方を見て、私の言っていた通りになってきたと感心しているようです。

カツオも旨いのですが、この時期の北海道から来るサンマも格別なものがあります。

来週は、カツオ、サンマの塩焼き、純米酒六根浄を堪能してこようと思っています。

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2009年7月28日 (火)

君子の争いたれ

やはり、渋沢栄一翁の書いた「論語と算盤」は面白く、特に「君子の争いたれ」の項目には勇気づけられました。

その中の一部を抜粋します。

「(前略)いやしくも正しい道をあくまで進んで行こうとすれば、絶対に争いを避けることはできぬものである、絶対に争いを避けて世の中を渡ろうとすれば、善が悪に勝たれるようなことになり、正義が行われぬようになってしまう。(中略)人間はいかに円くとも、どこかに角がなければならぬもので、古歌にもあるごとく、余り円いと転びやすいことになる。」

新酒に角があるのは当たり前、新酒から調和を取るような発想だとロクな酒にならない、と読むことができました。

造り手は、酒が若いと消費者に理解されない、ということで、どうしても味のある酒を出したがります。

出荷後、3ヶ月後にピークを持って行く、こういった考えが、かつて、酒造業界にありました。

これは、新潟酒を代表とする、かつての活性炭を使用したろ過をした酒に当てはまる考えです。

タンク火入れで過熟になった酒を活性炭でしごいて出荷した酒は、たしかに熟成概念とは程遠い代物でした。

逆に、炭使いの下手な後発蔵は、「無ろか生原酒」を売ったら売りっぱなし。

始末に困った酒販店が、生酒の劣化したダレた酒を売り、ロースカツに合う・・・なんて詭弁を弄する始末。

日本酒は熟成に向かない・・・ほとんどの人はそう思っていることだったでしょう。

しかし、「純米酒 六根浄」は熟成向きの消費者の熟成概念醸成のテキストとして販売しております。

一回火入れの瓶貯蔵、無ろかの純米酒。

本当に春先に買った人は、味の無さ、旨味の無さにびっくりしたかもしれません。辛口白ワインのようなドライさがありました。

それはあくまで熟成の初期段階の味。

旨くなる酒でも搾ったばかりの酒は極めて味の無いものなのです。もちろんプンプンは別。

現在、「純米酒 六根浄」は熟成段階における、初期後半または中期前半といった感じとなってきており、軽い旨味の乗った軽快な状態です。

それこそ、ロックで飲んでいただきたいお酒です。

勉強はつらい、つらいと思っていると続かないものです。

「純米酒 六根浄」は飲むだけで、熟成を知ることができる良いテキストです。

「純米酒 六根浄」お買い求めはこちらから

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2009年7月26日 (日)

六根浄は”ROCK CITY”飲みましょう!

先日、リベンジに向かった先の滝野川の酒類総合研究所東京事務所。

清酒官能評価講習の再受講。

私が昨年落とした項目に、「香味強度の順位付け」がありました。

その中に、カプロン酸エチルの項目があり、4つの試料を濃度順に並び替える試験をしました。

そこであらためて気づいたこと。

カプロン酸エチル自体は味の癖がなく、やはり、人を魅惑するような甘い香りがしたということです。

酒造りの技術者にとってみれば、カプロン酸エチルの香り主体の酒は、手品のタネ明かしをされているみたいなもので、どっちらけなのですが、技術的な知識が不必要な消費者にとってみれば、たしかに喜ぶ香りなんだろうな~という香りでした。

嗜好品である以上、商品としての再現性が必要として考えたとき、ヤコマンという批判的手法を用いずに、香りを出す酵母により香りを出すことができるようになった。

ヤコマン常習蔵は月桂冠様ありがとう、と心でつぶやいたに違いありません。

甘くて香りの良い酒で日本酒の間口を広げることに成功し、日本酒嫌いだった人も日本酒が好きになり日本酒消費量は増え・・・てなんかいませんよね。

間口が広くても奥行きがなければすぐ出て行ってしまうのではないでしょうか?

だからと言ってプンプン系蔵元が一小売店の意向でいきなり転向する昨今の風潮も面白くなく、消費者不在の造り手のポリシー、フィロソフィーの欠如こそが日本酒衰退の元凶のような気もします。

ちなみに、プンプン系が嫌われる本当の主役は「カプロン酸」で、吟醸酒にはカプロン酸エチルの4倍もの量があるといわれています。

カプロン酸は、強いエグイような苦味を感じ、臭いは、汗臭、油臭、紙臭、袋臭、などの指摘を受ける原因となります。男の汗臭さとでもいうんでしょうか。

そう考えると、甘くて男の汗臭い酒というのも、女性向けと言われればう~む、なるほど、ですね。

昨日、当店へ来店された栃木県・澤姫の井上裕史さん。217261

南部杜氏、下野杜氏、1級酒造技能士、という資格を持った新進気鋭の若手の蔵元杜氏です。

澤姫さんは、すべて地元産のものにこだわる「真・地酒宣言」をコンセプトにしています。

井上さんが造る酒は丁寧で、二杯、三杯と安心して飲み続けられる酒。

酒造センスが秀逸で、ここの蔵の商品ならば安心してお取引できます。

積極的に生酛への取り組みをし、お話の中で酒造りへの真摯な姿勢を感じました。

はっきり言って澤姫さんが持ってきた生酛の純米酒は旨い!

私が理想とする生酛の姿に近いと思います。

ところで、井上さんに「純米酒 六根浄」を見てもらったら、「これは今だと、ロックにして飲むとうまいんじゃないですか?」とのこと。

さすがはプロ。いいことを聞きました。

しばらくの間、六根浄をRockにして飲むキャンペーンをしたいと思います。

 

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2009年7月24日 (金)

Veni vidi vici.

「バカに良く見える・・・。」

昨日、北区王子に忘れ物を取りに行っていました。

あれから一年、能力は向上しているのか?

昨年は自分のクセ・欠点を探すのが大きな目的でしたので、試験は第一印象のものを優先させて答えていました。

その結果が、二項目について不合格。

正直、一年間胸につかえているものがありました。

本当に酸いも甘いもかみ分けられるようになったのか?

一年間、自分のきき酒方法に修正を加え、万全の体制で臨みました。

すると、どうでしょう、あれだけ難しかった試験のはずが、差が良く見えるんです。

さすがは競馬の神様、大川慶次郎生誕の地、王子。

結果は如何に!

お店でコソっとお知らせします。

途中、試験と試験の間隔が開いていたので、飛鳥山公園の渋沢史料館へ。

私が尊敬する渋沢栄一氏の住居跡に建つ史料館。

偉大すぎる人物に、ため息が出ました。

以前から欲しかった渋沢栄一著「論語と算盤」を売っていたので購入。217231

じっくりと商売の秘訣を学びたいと思います。

ところで、インチキ臭い風貌だな~と思っていた故大川慶次郎氏は渋沢栄一氏の曾孫にあたる良家のご子息だったことをご存知でしたか。

217232 本日バカに良く見えた酒。

アンチプンプン系関東総大将、久保田晃氏が醸した「相模灘 純米吟醸 雄町」

これはかなり凄い出来ですよ。

別名「プンプンいらず」と命名したいと思います。

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2009年7月22日 (水)

荻の源蔵そば

山形の田舎そばを語るには、「あらきそば」、「源蔵そば」、「七兵衛そば」の3店を避けては通れません。

どの店も、「これぞ山形、田舎に来た~」と思わせる雰囲気があります。

味が個性的なので遠くから食べに来る熱烈なファンも多い蕎麦屋さんでもあります。

歴史的経緯はよくわからないですが、おそらく、伝統的に地元で食されてきた「米の代用食としての蕎麦」なので、つなぎを使用しないか極少量使用することで噛み応えのある腹にたまる蕎麦のスタイルとして確立された蕎麦なんだと思います。

江戸そばの粋な食べ方はここでは逆に野暮。

ガッツリ噛んで、ガッツリ食べて満腹にするのが流儀。

粋の代償として、原料である蕎麦の風味と甘味をしっかり感じることができるのです。

その中の一つ、昨日は、寒河江善秋氏と七右ェ門窯ともゆかりのある「源蔵そば」さんへ行ってきました。217212

東京で行われていた元祖「ほんものを食う会」で蕎麦を打った蕎麦屋さん。

店の中に入って座敷に入ると・・・、神棚下にどーんと迫力のある大きな字で寒河江善秋氏の書が書いてありました。

もちろん、何と書いてあるのかわかりません。

善秋氏のことをお伺いしたところ、おカミさんは、善秋さんのことを大変懐かしがり、「さきほどSさんが見えたばっかりなんだ」と言っていました。217213

Sさんはその名前から「抜作」と呼ばれ、善秋氏と親しかった人物です。

お通しでで出てきたのが、「わさびの葉のおひたし」。

しゃきしゃきして旨い。

器には七右ェ門窯の「梨青磁の刷毛目」。

ありがとうございます。山形の食に山形の器。

217214 趣のある店内。

飾り気があるというかないというか・・・田舎そのまんまです。217215

てんぷらは400円。

カリっと揚がって大変美味でした。

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もりそば850円也。

つなぎなしの10割そば。

細めですが、歯ざわりが良く、ボツボツと切れることがありません。この時期にもかかわらず、蕎麦の香りと甘味がしっかりとありました。

いい蕎麦です。

器は七右ェ門窯のもの。

途中、漬物やら煮物やらが出て来て、結構満腹になりました。

ここの特徴は最後の蕎麦湯。

とろとろポタージュ系。

蕎麦湯は濃いのに限る。

お酒は「東の麓」を置いてありましたので、「純米吟醸 善秋」の説明をしたら、初めて知った、とのことでした。

「純米吟醸 善秋」と蕎麦、合うと思います・・・って、ここで言ってもダメか。

217217 「源蔵そば」の外観。

山形そばを語る時には、欠かすことのできない蕎麦屋さんです。

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2009年7月20日 (月)

本日の「純米酒 六根浄」

今朝の気象状況下(気圧、湿度、温度)における「純米酒 六根浄」は素晴らしく旨いです。

毎朝、「純米酒 六根浄」のコンディションを確認して、試飲の説明をするようにしているのです。

同じ酒であっても、毎日感じ方が異なります。

その日によって酒が荒れることがありますので、「これが旨いですよ」と確認もせずお客様に出すのは危険です。

今日は特にいいパフォーマンスをしてるぞ、「純米酒 六根浄」よ。

消費者の舌に届くまでしっかりと品質保証をする。

「正酒屋 六根浄」では、あたりまえのことをしていくだけです。

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2009年7月19日 (日)

「相模灘」登場の巻

とうとう「正酒屋 六根浄」に最終兵器がやって参りました。

プンプン系追討の旗手、関東総大将の久保田晃の醸す「相模灘」。

プンプン系がポコポコと頭を出すこの山形の地に初上陸です!

初めての本格的武家政権は相模灘を臨む鎌倉にできました。

奢るプンプン系は久しからず・・・。

しかし、久保田さんは心配していました。

「山形正宗、楯野川、加えて、うちの酒(相模灘)・・・、本当に売れるんですか?」

私は売りたい酒を売り、本物を伝えたいだけ。

先ほど来られたお客様が評していわく、

「香りのない○○○」

まさしく言いえて妙。

駄菓子屋のジュースのようなプンプン系とは一線を画す酒。

高カプロン酸エチルの酒=プンプン系という日本酒におけるモスキート音を嫌う人が安堵できる酒を提供し続けます。

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2009年7月18日 (土)

ありがとう波瀬正吉杜氏

訃報です。

開運の波瀬正吉杜氏がお亡くなりになったという知らせが入りました。

能登四天王の一人で、能登流を代表する大杜氏さんでした。

かつて大吟醸「波瀬正吉」を飲み、こういう酒を造りたい、そう思ったものです。

そろそろ引退するのではないか、との噂も流れており、当店で売っている「開運 純米酒 ひより」の説明に、「波瀬正吉杜氏最後の作品になるか?」と書いたのが、このような形でお別れになるとは・・・。

もうあの味は飲めないのか、そう思うと何とも言えない気持ちになります。

尊敬する杜氏さんがまた一人いなくなりました・・・。

杜氏最後の年の作品となった「開運 純米酒 ひより」。

今日の夜は、この酒を舌の記憶に叩き込んでおきたいと思います。

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2009年7月17日 (金)

突き抜ける

私も商売人の端くれなので、他業種でも評判になっている店というのは気になります。

その中でも私は「突き抜けている」感を出している店に惹かれます。

チェーン店の擬似世界的パフォーマンスではない、店主の志が自然と滲み出ている店が好きなのです。

私の好きな山形ではインド料理の「JAY」さん、蕎麦屋さんでは「梅蕎麦」さん、前者は「混沌または雑然」、後者は「静謐」。一見、別物に見えるこの二店には、共通の「突き抜けている」感があります。

両店に共通しているのは、洗練された技術に裏打ちされた素材を生かした料理。

しかし、これほどの蕎麦を打つ人はそうそういない、と思える「梅蕎麦」さんほどの名店でもダントツの人気ではないですし、ましてや「JAY」さんにいたっては・・・。

なぜなんでしょうか?

両者には、味が「淡い」、「バランスが良い」という共通点があります。

インスタントラーメンなどのインパクトのある味に慣らされている現代人の味覚には物足りなく感じてしまうのはないでしょうか?

「甘味」「辛味」「旨味」などの本能残基としての知覚に直接訴えかける味がないと大衆に受けないのです。

本能残基というような難しい用語を用いたのは、味覚は本能とは別の知覚であり学習・経験によって価値評価が異なってくる、ということを伝えたいために用いています。

本能であれば「甘味即良いもの」という価値判断が固定されていますが、経験により「甘味即嫌い」という訪れがやってくる可能性があるのが人間の味覚なのです。

「淡い」味に隠された「差異」の複雑さとその理由。

こういったものを感じ取るのが食の楽しさだと思うのですが、いかがなものでしょう?

前振りが長くなりました。

昨日、山形市にある「突き抜けている」感を持っている店に行って来ました。

焙煎工房 Sui-cafe + BEANS STORE217161

住宅街にぽつんと存在しているコーヒー豆を売っている店です。

もちろんお店でもコーヒーを飲むことができます。

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ボダムプレス式コーヒーメーカーで入れたコーヒー。見た目、濁っていて薄く見えます。

「豆から出る味のすべてを味わってほしい」からこの入れ方なのだそうです。

このコーヒーの豆は、ニカラグアの「セロ デル シエロ農園」の豆。ニカラグラの国際コンテストで第一位を取った農園。

第一印象は淡い印象。甘味と酸味のバランスが良く、後味のキレがいいです・・・、って良い日本酒と同じではないですか。

店主によると、コーヒーの味は原料によるところが大きく、後はいかに上手に焙煎できるか、にかかっているとのこと。

やっぱり日本酒に似ている・・・。よく考えればコーヒーも木の実、日本酒の原料の米も植物の種。

味が原料に由来するのは当たり前です。

とすれば、今までコーヒーとして飲んでいたのは何だったのか?単に焙煎の味、焦げた苦味を有難がっていただけだったのでしょうか。

日本酒もかつての炭臭やら老香をするのを日本酒の味だと誤解されていた、つまり、クセの特化により特徴化された商品が日本酒の姿でした。

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焙煎機がゴロゴロと動き、店主がこまめに豆の状態をチェックしていました。

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店主らが直接現地で買い付けてきた生豆が置いてありました。手前がケニアのキアンガイ農園のコーヒー豆。

私が飲んだニカラグアのコーヒー豆より香りが強いと感じました。

驚いたのがサービスで入れて頂いたキアンガイ農園のコーヒーの味。

冷めてからの味がミックスフルーツのようなフルーティーな香りと味。

当然、プンプン系のような嫌らしい香りではなく自然な香り。

凄い世界に入り込んでしまった・・・。

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帰りには早速、ボダムプレス式コーヒーメーカーを購入。

私の質問にお付き合いいただいた店長の山口さん、ありがとうございました。

大変ためになりました。

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2009年7月15日 (水)

滝山から世界が見える

「正酒屋 六根浄」のある平清水は、山形市の滝山地区にあります。

山形県の「山形」の地名の由来は、滝山地区と言われています。

歴史と文化が継承されてきたここ滝山地区の小学校の広報部長となったもので、何かと面倒です。

たいしたこともしてないじゃないか、とお叱りをうけそうですが、これがまた、なかなかなんです。

1学期中に2回の広報誌発行。

昨日、無事2回目を発行することができました。

ただでさえ小学校のPTA役員になりたがらないのに、広報部は1番の不人気部門であるようで、広報部に入る入らないで学年委員会が紛糾した学年があったとか。

今年は保護者の負担軽減を考え、先生ができることは先生におまかせするようにしました。

1学期に2回発行ですが、だいぶ負担が軽くなったと思います。はっきり言って作業自体は楽です。

しかし、昨年までの活動内容を知らなければ、嫌なことをやらされている意識が強い方はまだまだ広報部に入ったことで、割りを食っている感があるかもしれません。

入ったら得をするようなシステムを作らない限り、毎年揉めることを繰り返していく感じがします。

そこで、大事なのは、自ら発想し、企画したことを実現する喜びがもっと広報部にもあったほうがいいと考えます。制約事項はできるだけ少ないほうがいい。

PTA会員全員が利益を享受できるような話・・・、理想です。しかし、こんなのは絶対面白い記事になるわけがありません。

広報部員が興味を持ったことを記事にする、これでいいような気がします。

PTA広報活動の名目があれば、普段近づけない、話すことができない人にアプローチすることが可能です。これは大きなメリットではないでしょうか?

滝山学区の東北芸術工科大学には「おくりびと」の脚本家の小山薫堂氏が企画構想学科の学科長をしていますので、「つまらないPTAを面白くするにはどうすればいいのか?」などの質問をぶつけていくのもいいかな、と思っています。

先日、広報部OBの方から反発された私の案は、イケメン元Jリーガーに「サッカーが上手になるためにどうすればいいのか?」をみんなでインタビューしに行くといったもの。

本当に元Jリーガーでかつ、イケメン。こういう人とコンタクトを取れるんですよ、広報活動部の皆さん!

「広報部ずるい~」「広報部うらやましい~」

こう他の人から言われるような活動も可能なんです。

取材内容など大して重要ではありません。これで飯を食っているわけじゃないですからね。

PTA会員が興味を持ち企画・発案したものを広報誌にまとめることで会員同士の親睦を図る、これが広報活動の目的です。

子供の記録会の結果など先生が作る学校通信がやればいいこと。

今週末には「やきとり前田村」さんで1学期の反省会がありますが、面白い意見が出ればいいな、と思っています。

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2009年7月13日 (月)

夜も寝れなくなっちゃう

昨日、寒河江善秋氏のご子息からメールがありました。

そのメールには画像が添付されておりました。Photo

地下鉄漫才で一世を風靡したあの春日三球師匠がにっこり笑って「純米吟醸 善秋」を持っている・・・。

サンキュー!三球師匠。

どのような評価をされるのか・・・、考えると夜も寝れなくなっちゃいますね。

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2009年7月10日 (金)

山形の酒 銀嶺○山

山形セレクションより厳しい六根浄セレクション。

なかなか新しい銘柄を増やすことができず困っています。

無理して増やす必要もないと思うのですが、何もしていないと思われるんですよね。

いい酒、旨い酒があれば積極的に動きます。

ということで、本日セレクションをかけていたのが、この銘柄。

Photo 「銀嶺立山 純米酒」

山形県の蔵ではなく、富山県の蔵です。

レトロなラベルに蔵の頑固な姿勢を感じます。

立山酒造さんでは「甘くない酒」を目指しているのだそうです。

私のコンセプトと重なります。

舌触りなめらかでバランスの良い調熟した酒。蔵元の姿勢を表しています。

山形の純米酒は苦味が強いことが多いのですが、この酒は苦味よりも旨味が特徴的です。

山形の蔵よりも「出羽燦々」を上手に処理している感じがします。

市販純米酒の見本のような酒です。

あとは値段の問題だけですね。

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2009年7月 9日 (木)

おかえり

昔から山形市近辺に住んでいる人の家に、このようなダルマがあるのを見かけたことはなかったでしょうか?21792

この写真のダルマは、先日お伺いした「家具のヤマヒョウ」さんの倉庫に並んであるのを見つけ、店長からいただいてきました。

この人形焼は、その昔、平清水の斉藤とくさんが作った福ダルマなのです。

かつて山形の初市(はついち)で売っていた縁起ダルマ。

平清水の土からできた人形焼で、今では継ぐ人がいなく幻となってしまいました。

21791 平泉寺のしだれ桜前の駐車場に工房があり、私が平清水に来た頃には、すでにあばら家となっていました。

長い年月を経て、平清水で作ったダルマが「正酒屋 六根浄」に来ることになったというのも何かの縁を感じずにいられません。

家に置いてあるのを見かけましたら、大事に扱ってください。

21793

ところで、「正酒屋 六根浄」では、水を売り始めました。

「やまがたの水」

ネーミングもストレート。

中身は、山形市又治窯沢川の清らかな流れからつくった水道水・・・、そうなんです水道水をボトリングした商品。

もちろん、加熱処理してカルキ分を取り除いていますので、カルキ臭さは一切ありません。

「又治窯沢川」は下流になると「松尾川」になります。

昨日の記事で書いた「松尾山観音」の下を流れる川です。

山形市上下水道部が威信をかけてボトルにした水。

ビロードのような舌触りとさっぱりした後切れ。軟水。

この水道水を飲んでいるのは「家具のヤマヒョウ」さんがある、ごく限られた地区。うらやましい限りです。

日本酒を水道水で造っているところは、実は多いんです。

蔵元独自の地下水を用いてなんていうところは少数派なのではないでしょうか。

それほど水の汚染が進んでいる証拠です。

子供の頃は、水を買う時代が来るなどと思いもしませんでした。

まさか、水道水を売ることになるとは・・・。

そんな理屈など関係なしにおいしい水だと思います。

ただ今、店に来た人だけに限定販売しております。

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2009年7月 8日 (水)

「箪笥 箪笥 箪笥」もしくは「国境の南、奥山清行氏の西隣」ならびに「阿修羅」

定休日の翌日は、ブログネタがありすぎてかえって書きづらいのです。

まず昨日は、朝一番に小学校の5学年の学年発表会を見に、小学校へ。

平日の朝八時三十分開始の八時四十五分終了という、微妙な時間にもかかわらず、大勢の保護者の方々がビデオやカメラを片手に集まっておりました。

最近の流行なんでしょうか、太鼓演奏の後に「やぁー」って決めポーズをするのは。正直、見世物っぽい感じで好きになれませんでした。

学校を後にしてから向かったのは、最上三十三観音第9番札所「松尾山観音」。

まったくの思いつきで行ったのですが、普通に考えて、思いついて自然に三十三観音に向かってしまう私はいったい何者なのでしょうか?

近くにありながら、まだ行ったことがありませんでした。

21771 茅葺の重厚な建造物。驚くことに国の重要文化財。さり気なさ過ぎです。

21772

参道入り口の階段。

国の重要文化財があるとはとても思えないシチュエーション。

道が狭く、大きな車では、このはし渡るべからず、です。

21773 次に向かったのは、松尾山観音を出てから坂を下った近くにある「家具のヤマヒョウ」さん。

時代箪笥の修復、再生をしている和の伝統を守る職人がいる店です。

私が所属している謎の集団「ショウシュウダン」のメンバーの井上さんが店長をしています。

メンバーの出産祝いの打ち合わせをしようと店に初めて顔を出したのですが、偶然に他のメンバーも同じ用件でちょうど店に来てタイミングの良さにびっくりしました。

打ち合わせ後、店長の井上さんから箪笥の説明を聞き、箪笥に込められた先人の知恵に感心しきり。

この錠前金具が「揚羽蝶」のかっこいい箪笥は米沢地方に伝わる「野郎箪笥」という箪笥で、男の人が婿入りするときに持っていくものなのだそうです。

女性の嫁入り箪笥より小さいサイズで、婿の立場を表しています。21774_2

こちらは「女箪笥」。

21776 ヤマヒョウさん製作の船箪笥。

これを海に入れると浮かぶ・・・まだ試していないそうです。

重厚感があってカッコいいですね。21779

地下は工房となっており、金具の修復も全部自前。

和の文化を守る人がここにいました。

丁寧な説明をありがとうございました。

せっかくだからということで、出産祝いを届けにショウシュウダンメンバー3人で、あのフェラーリの設計で世界的に有名なケン奥山こと奥山清行氏の実家の隣に住んでいるMさん宅に伺いました。

Mさんは地元ラジオ局でDJをしたりと色んなことをやっている人で、ショウシュウダンメンバーの中でも最年少。先日、仏像ファンの注目を浴びた興福寺の「阿修羅」にそっくりなのです。

Mさん宅に上がらせていただき、母君に「ヤスシ君にはいつもお世話になっております。」とご挨拶。

しかし、よく考えたら「シンヤ君」でした。すみません・・・。

お昼近くになったので、どこに行こう?という話になり、「季分屋」の話をしたら、ヤマヒョウの井上さんとMさんも知らないというので、あっさり決まりました。

民家で洋食屋。私もまだ2回目。

お膳が来たときに「ヤッター、自分のが来た!」と思っていると他人の注文したメニューという肩透かしを何回かくらいますので注意が必要です。出てくる時間の長さが絶妙の隠し味となっているのは確かです。

217710 私が注文したカツカレー。

これで500円。安くて旨い!

217711 Mさんが注文したスペシャル丼。

とんでもなく大きい丼に、カツの卵とじ、ハンバーグ、カレーが入っている、子供の大好きなメニューを一つに具現化した丼。

これからはスベシャル丼というより阿修羅丼と呼びたいところです。

スベシャル丼980円

217712 ヤマヒョウ井上さん注文の「鳥唐揚げ定食」500円。

「季分屋」さんの料理には一食入魂といったような気合を感じました。

定休日は、まったくもって予測がつかないことが多くて楽しいですね。

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2009年7月 6日 (月)

Liquore Paradiso "Rockonjo"

土曜日はコーコーヤのライブに行ってきました。

コーコーヤは、この春にフジ系列で放送されたTVアニメ「リストランテ・パラディーゾ」の音楽を担当していたインストユニット。

当日は、休憩をはさんで一部と二部の構成となっており、1st アルバム「Antique」からの曲を聴きながら、これは昭和時代のNHK朝の連続ドラマのBGMっぽいな、などと勝手なイメージを連想していました。

約二時間、どこか懐かしさの感じる心地の良い音楽と楽しいMCに酔いしれた夜でした。

ライブ終了後の打ち上げにも参加させていただき、「純米酒 六根浄」をコーコーヤのメンバーに飲んでいただきました。喜んでいただいたようでうれしいです。

打ち上げの席で山形ブラジル協会会長からコーコーヤ女子部にプレゼントが贈られました。コーコーヤの名前と演奏する楽器が描いてある「銀山上の畑焼」の磁器の杯。すごく洒落たプレゼントです。大喜びのコーコーヤ女子部。Photo Photo_2

打ち上げの席では、1枚目の写真に写っているコーコーヤメンバーのクラリネット奏者黒川紗恵子さんが隣にすわり、梅雨の時期は低気圧の日が多く、頭痛がして辛い日が多いとのことで、私も冬の低気圧の米の蒸しあがりには大変苦労します、とのこじつけトークで盛り上がりました・・・。

翌日、山ブラ会長ご夫妻とともに黒川さんが「正酒屋 六根浄」に来店されました。

打ち上げの席で予告していた「正酒屋 六根浄」休日特別限定スイーツを用意し、召し上がっていただきました。スタッフベリーAが頑張って作った、初お目見えとなる「酒粕を練りこんだ生キャラメル」。大好評だったようです。

山ブラ会長ご夫妻、コーコーヤの皆さん、いい週末をありがとうございました。

今、店でかけている「リストランテ・パラディーゾ」のサントラCD「ムジカ・パラディーゾ」も、とてもいい感じです。Photo_3

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2009年7月 4日 (土)

酒の味は蒸米の出来如何にかかっている

ブログを頻繁に更新していると、かえって主張がぼやけてくる感じがします。

旨い酒はどこにある?

要は、そのことに答えられるブログであればいいわけで、あんまり余計なことばかり書いていると何を売っている店なのか忘れられてしまいますね・・・。

はっきり言います。お酒の味は「蒸米」の出来一つ。

その味が「熟成」によってどのように開いてくるか。

単純明快です。

だからこそ「蒸米」で引き出した旨味を阻害するような操作、プンプン系のことですけれども、に批判的なわけです。

以上。

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2009年7月 3日 (金)

来る洲島

玄界灘の~♪荒波寄せる~♪

失礼しました。

1984年夏に合唱コンクールで歌ったもので・・・。

1984年という年を思い出すと、ふと口ずさんでしまう曲です。

ところで、山形県川西町洲島は寒河江善秋氏の生まれ故郷ですが、ここから出荷されるこの時期に出ている特産品があるのです。

それは「うこぎ新梢(しんしょう)」。

うこぎは山形、特に置賜地方では垣根として植えられ、うこぎご飯などにして食べる、おなじみの春の食材。

川西町洲島にはうこぎ畑があり9月頃まで収穫されるとのことです。

216302

川西町にある割烹「喜楽」さんで出された「うこぎ新梢」の和え物。

木の芽系の食材を食べると血液がきれいになるような感じがします。

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2009年7月 2日 (木)

忘れ物を取りに行きます!

日本酒の製造に関わる官能評価(きき酒)の専門家としての資格に「清酒専門評価者」があるということを、昨年のブログでも書きました。

日本酒の本当のきき酒のプロの資格。年会費のいらない本当の資格。

昨年度は「清酒専門評価者」の資格を得るために、東京の滝野川へ清酒官能評価講習を受けに行き、講習を受ける前は、自分のきき酒能力の限界やクセをわかりませんでしたので、本当に勉強になりました。

受講番号30ということで、全国で講習を受けた中で30番目。

講習を受けた人は、日本酒の造り手の中でも、ごくわずかの人に限られているんです。

おそらく、山形でも初で酒の小売店でも初の受講者だったと思います。

ところで、山形県は酒造りの講習会は盛んですが、酒造技能士を含めた資格の取得に関しては無関心な面があります。

私の高校の先輩である空道創設者大道塾の東孝氏は、才能があっても段位を取ろうとしない人は努力をして段を取った人に追い越されることになる、というような内容のことを書いていたことを思い出します。

山形県は全国新酒鑑評会で金賞受賞を多く取ったと喜んでいるのですが、実は、足元は非常に危うい状態かもしれないですよ。

話を戻します。

しかし、昨年は肝心の資格を取れなかったんです。

クリアすべき5項目のうち、3つはクリアしたものの2つの項目がダメでした。

今回は講習と試験日が一緒の1日だけなので金銭面での負担が少なくて助かります。

今年こそゲットしてきたいと思います。

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2009年7月 1日 (水)

その堀を飛び越えて来い!

「正酒屋 六根浄」はどこにあるんですか?

山形市平清水の七右エ門窯の敷地内、陶芸教室の向かいです。216301_2

そう説明してもたどり着けない人がいるようです。

かたや、思ったより簡単に探せたという人もいました。

しかし、簡単に来れるようでは意外性、話題性に欠けますよね。

私も正直、冷やかし半分のお客さんはいらないんです。

来たいと思って来店していただくお客さまだけで結構。

そこで・・・堀を設けました。21711_3

痛快なりゆき酒店 風雲!六根浄を今後ともよろしくお願いします。

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