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2009年11月19日 (木)

ハンパしちゃってごめん

サンバタウンぜじさんのブログでも書いてありましたが、私は12月16日から本格的に蔵に入ります。

ですので、純米酒普及活動およびプンプン系陳腐化計画は、一旦、小休止となります。

しかし、「正酒屋 六根浄」ファンの皆様、ご安心下さい。

12月は店舗での営業をしておりますし、ネットでの注文も常時対応しております。

もちろん、買いだめしておくのもいいですけれどね。

ところで、「ハンパしちゃってごめん」と言って思い出すのが、高部知子さん。高部知子さんと言えば「積木くずし」。「積木くずし」の原作者は、俳優の穂積隆信氏。穂積隆信氏と言えば、兄であったのが酒類評論家の故・穂積忠彦氏でした(記事のタイトルから穂積忠彦氏までを即座に連想できる人は酒オタクです)。

穂積忠彦氏は酒に関する著書多数で、「美味しんぼ」でも酒の先生として登場する人物です。

穂積氏は、今からおよそ30年前に「呑んべえが語る酒学入門 本物の酒を求めて」(健友館)という、文化としての酒の視点から酒の歴史や当時の酒の問題点をえぐり出した快著を送り出しました。

東京大学農学部出身で鑑定官を経験している方が書いたので、発酵に関する知識はもちろん酒税のあり方に関しても大変ためになる本です。私が買ったのは1996年頃で、酒造りの道を目指し、酒の本を買いあさっていた頃に出会った本でした。

本が発行された当時(昭和55年)、世の中の流れとして本物志向への高まりとともに梁取三義氏や雑賀進氏らの著書による三増酒糾弾の流れがあったものの、清酒に添加する原料アルコールが何の原料から出来ているか、まで詳しく記述している本はなかったと思います。

ブラジルのガソール(ガソホール)に使用するモラセスアルコールが日本酒にぶち込まれているという、しっかりとした知識をもった技術者側からの告発。

ある飲み屋さんで聞いた話として、鑑定官上がりでアルコール供給会社の顧問になった人が「あれは飲まないほうがいい」とその飲み屋さんに来て言っていたそうです。どういう意味かは知りませんが。

しかし、あまりこの本による一般の人へのアピール、浸透度は低かったようです。やはり、文化云々よりも、旨ければ何でもいい、法律で定められている範囲なら問題ないでしょう、アル添も旨くなるんだったらいいんじゃないの?という人が多数だったからでしょう。

それでも私の経験上、頭で考えるより身体は正直なものだと感じます。私の場合、アル添酒を飲んだ次の日は頭痛がします。プンプン系も次の日のダメージが大きいのです。ですので、人にアル添酒やプンプン系を薦められません。

口に入るものへの無意識的な遡及による拒否反応がそうさせているのかもしれないですけれど・・・。

「本当の日本酒であるならば、酒の中に日本の産品以外のものが原料としてつかわれていないかどうか真剣に考えてみる必要があるはずである。」(上掲著p.60)

あれから30年、日本酒業界はすっかり変わって・・・ないです。

日本酒の現状が「ハンパしちゃってごめん」ですね。

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コメント

日本酒は伝統的だがやはり進化するのであります。日本酒はサトウキビ由来の醸造アルコールを入れる所に特徴があるわけで、純米酒などは日本酒の定義から外れるわけです。アルコール臭でつんとくる・・いかにもアルコールって感じで実にすばらしいお酒です。2合以上は口がしびれて決して大量に飲酒できないという健康にいい酒です。私は飲み会で出された酒に醸造アルコールと書いてあるだけで、一切口にしません。おかげで悪酔いもなくすがすがしく過ごせます・・・!?

投稿: ntk | 2009年11月21日 (土) 10時36分

ntk さん、コメントありがとうございます。

う~む、内容をどう受け取っていいのかわかりませんが、アル添が進化であるとするならば、いわゆる世間一般で認知されている日本酒は進化したお酒で、それを好んで飲む人は身体的に進化した人間なんでしょう。

そういう意味では、私などは身体が進化に対応できない旧タイプの人間ですね。

まあ、進化かもしれないですが、決して文化的とは言えないと思いますが・・・。

醸造アルコールが入っていてもプンプンしていても、旨ければいいと言える進化人が多いのは、やはり化学調味料という進化した味で育った人が多いせいではないかと思っています。

何はともあれ、自分の身体に合った酒がいいわけで、身体に聞いてみるのが一番です。

二日酔い、悪酔いしない酒がいい酒ですよね。

私の場合、純米酒という結論だったわけですけどね。

投稿: わがまま店主 | 2009年11月21日 (土) 11時15分

>純米酒などは日本酒の定義から外れる・・・

ですか。面白いですね。そういう言い方も確かにアリ(笑)

またまた、店主さん、旧タイプの人間だなんて。
私もそうですし、いずれ(早いうちに!?)淘汰される人間ですけど(笑)
でも、店主さんの人柄が伝わってくるというか・・・いいですね。
私ならすぐ脱線してしまいます。

投稿: おやじ | 2009年11月21日 (土) 18時31分

逆説で失礼しました。食品業界ってむなしくなります。鮭フレークってしってます? 鮭を焼いてほぐして瓶詰めにすればいいのですが、骨がとれにくいので蒸すのです。身は取れやすくなりますが旨味も色も蒸気で落ちてしまいます。そこで、赤着色料とグルタミンソーダで調整するのです。こんなもの!といいながら安く売れるからと作っています。口に入るものはだいたいこんなものです。

つまり、その瞬間がうまければいい安ければいい、ブランドイメージができたらいい・・というのが進化なんですね。あとでがんになろうがお構いなし。がんになれば医者が儲かるのですからね。

投稿: ntk | 2009年12月28日 (月) 19時14分

穂積忠彦さんの命日でしたね。
優しい方でした。奥様の漬物も絶品で肴には最高でした。
合掌

投稿: | 2011年8月15日 (月) 01時26分

コメントありがとうございます。

8月14日は穂積忠彦さんの命日でしたか。

私は一度だけお会いしたことがあるだけで話をしたわけでもないので、思い出話などないですが、著書から色々と教わりました。

穂積氏の書いた本は、これから日本酒に携わろうとする人にまず読んで欲しい本です。

投稿: わがまま店主 | 2011年8月15日 (月) 09時21分

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