« 「ほんものを食う会」にまつわる不思議な話 | トップページ | ドライ クリアー リッチ »

2009年12月10日 (木)

オチとかサビとか・・・

最近は車の中でもブラジル音楽を聴いています。

先日、マリア・ヒタの「O Homem Falou」が流れている時に、私の小学3年になる息子が聞いてきました。

「この曲のサビはどこ?」

「ここだよ、オーエ・オーエ・アアーのとこだよ。」

この答えが合っているかどうかは良くわかりませんが、歌で一番盛り上がる「サビ」の部分を聞いて来たのには驚きました。

なぜ「サビ」という言葉を知っているんだろう?と。

私は、音楽は良く聴くのですが、コード進行もわからずただ聴いているだけですので、音楽の理論に関して詳しいことは良くわかりません。

ただ、サビの部分というのは曲を代表する部分であっても、そこだけ切り取って繰り返されたら、曲の良さがわからなくなるのではないか、むしろ醜悪なものとなるのではないかと思っています。

日本酒にとってのプンプン系も同じことです。

たとえば、私が「ジェシーズ・ガ~ル♪」と耳障りが一見良いサビだけをつなげて歌いつづけたらどうなるでしょう?別に「ラブ・サムバディ~♪」でもかまわないのですが。

間違いなく、飽きますし、いい加減にしろ!と言いたくもなると思います。

カプロン酸エチルという化学物質だけに着目し、この数値が異常に高い酒を造るのは、サビ・サビ・サビそしてサビの歌を作るのと同じです。

とにかく、バイオ酵母により産出された一つの化学物質が突出した酒が評価されやすいのは、日本酒の「文化としての酒」の突き詰めがされていないことと無縁ではないと思います。本当に旨ければそれでいいのでしょうか、何でもありなんでしょうか。

日本酒だけを見ていると変だと思わないのですが、他のことと比べるとおかしいことが浮き出てくるものです。

良い酒は良い音楽と同じ。

旨い酒を理解する人は普段から良い音楽を聴いている人だと最近思います。

|

« 「ほんものを食う会」にまつわる不思議な話 | トップページ | ドライ クリアー リッチ »

日本酒」カテゴリの記事

コメント

>良い酒は良い音楽と同じ

そうではないと思いますよ。
決定的な違いが一つあります。

音楽にはアマチュアが存在しますが、日本酒にはその存在が許されていません。

もし健全に「民族の酒」が存在していれば、アル添がこんなにのさばっていたでしょうか?

多様なアマチュアが存在せぬ日本酒において、「文化としての酒」の突き詰めた高みは
貴方の嫌う「バイオ酵母により産出された一つの化学物質が突出した酒」とそう大した違いが無いように感じます。

「どぶろく」や「民族の酒」に対してどうお考えですか?


素人の駄文でお邪魔して申し訳ございません

投稿: ホーム・ブリュワー | 2009年12月10日 (木) 17時59分

ホーム・ブリュワーさん、たしか前回はコーヒーの記事でコメントいただきましたね。

コメントありがとうございます。

前回、教えていただいたスタバのソロフィルターを7月に東京へ行った時に買おうとしたのですが、新商品ということで売っていた「スターバックス イージーコーヒーフィルター&ポット」のほうをおもわず買ってしまいました。

ソロフィルターとプレス式の中間方式みたいでプレス式よりもクリアーな味ですね、現在、気に入って使用しております。

ところで、日本酒はアマチュアが存在しないというご指摘ですが、現在の日本酒業界は実際のところ、アマチュアの集合体じゃないか、と感じております。

平気で不味い酒を売っている蔵もたくさんありますからね。

色々な酒が存在している。そういう意味では多様ですよね。

造り手は、プロとしての技能を修得する時間も少なければ、プロとしての身分保証もされていない状況です。

ほとんどの酒造工は、本業が別にあるわけで、酒造りはあくまで副業でしかないですからね。造ったら造りっぱなし。プロとしての自覚が本当にあるのか、疑わしい限りです。

プロであれば最後まで責任を持てといいたいところですが、責任をもたせるだけのことを蔵元がしているかどうか・・・。

それともアマチュアとは、米の酒のカテゴリーの中における「どぶろく」のことを指すのでしょうか?

私は日本酒=清酒が戦前までは名実ともに「民族の酒」を代表する酒であったと思います。太平洋戦争の戦局悪化に伴う米不足による緊急避難的なアルコール添加や三増酒の開始が、酒造りを安易なものにし、加えて、級別審査による色・味のない酒が世に出ざるをえなかった歴史的経緯があり、「民族の酒」と胸を張って言いづらい現状になっていると思います。

酒税法の管理下で「民族の酒」としての意味合いが薄れたわけであり、もともとの日本酒は「民族の酒」として健全に成立していたと考えます。

同じく「どぶろく」も酒税法の管理下で禁止された、かつては幻の酒でした。

これも家庭に代々伝わった伝統であったわけで「民族の酒」の一つであったことでしょう。

「清酒」と「どぶろく」の違いは、原料は同じですが、製法が異なります。似てあらざるものです。

「どぶろく」の経験が少ないものではっきりした事は言えないのですが、清酒製造における「酒母」の味に近い感じがします。

清酒は市場に流通する大量消費の酒であり、どぶろくは自家醸造の自家消費の酒だったわけです。

清酒は熟成向きの日持ちのする酒質であり、どぶろくは早飲み用の酒質として造られるわけで、使用する麹一つとっても製造の仕方が微妙に異なります。

ホーム・ブリュワーさんは、「どぶろく=アマチュア」であり、どぶろくが自由に認められれば多様性が生まれると思っていらっしゃるようですが、「どぶろく」はその家庭で自己完結している個々の存在であり、多様性とはなりえないような感じがします。

ただ、個人的にはホビーとしてのどぶろくは解禁すべきであるという考えを持っています。

個々の家庭で身につけた米の酒の味を知る事で、プロの酒である清酒の素晴らしさを理解していただくことが出来ると思っています。

加えて、私が嫌いなプンプン系=「バイオ酵母により産出された一つの化学物質が突出した酒」に対する身体的防御本能の育成に繋がると考えます。

プンプン系は、米の酒でなくても出来る味で、グルコース溶液でグルコース濃度管理しながらバイオ酵母で香りとアルコールを出せばできる味にしか思えないんですよね。

日本の文化は洗練された「淡さ」という美徳が珍重される文化と理解しています。

カプロン酸というエグイ味でグルコース濃度が高い酒が和食文化と切り離された形でもてはやされる理由が本当にわかりません。

「吟醸香」は、高度精白が行われるようになり、おそらくその存在が知られるようになってから約80年。まだまだ長い米の酒文化の中での新参者で、文化の中での意味づけができていないんです。「吟醸香」は「驚き」であったことは確かですが、もしかしたら追い求めてはいけない物なのかも知れません。

私は、「文化としての酒」の突き詰めた高みはプンプン系のようなテクノロジーを感じさせない、自然の恵みを感じる酒の存在であると予想します。どぶろくのアプローチとも違った「淡い」そして「深い」味。これは米の取れた土地や水が表現された味だと思います。

長くなりましたのでここらへんで終わりにします。

反論お待ち・・・してません。お手柔らかにお願いします。


投稿: わがまま店主 | 2009年12月11日 (金) 00時40分

お~、「怠け心」何処吹く風・・・(笑)
少しは吹かせても良かったりして。(な~んちゃって)
この調子で「ガッツリ」いっちゃってください。

>「淡い」そして「深い」味・・・
プンプン系でない「吟醸造り」で具現化したいものです。
欲を言えば、純米で普通にやって、アル添でも「とりあえず」やってみせる。
その「吟醸つくり」は当然、レギュラータイプへも適応できるもの。

杜氏や年配の蔵人の「出品酒」にかける生き様を、少しでも見てきた者として、ある意味、義務とも個人的に思っています。

いわゆる、出品酒・金賞酒について、なんでこんなことに、と思うこともあり、そのときの世間の常識は眼中にない、と思わせられることもあり。
間違いなく、余計なことはあり、同じくらいどころかそれ以上に重要なことがある。
そして、「余計なこと」ばかりとかく表面にでやすく、肝心なことが隠れやすい。

それに対応すべきは誰でもない蔵元でしょう。

店主さん、これからも「ガッツリ」いっちゃってください(笑)


>「淡い」そして「深い」味・・・

それは、現状、どぶろくにはできません。
高度な精米技術がどこでも利用できるようになり、よく造った麴と優良酵母が、たやすく入手できるようになればまだ話は別ででしょうが。
それでも多分・・・

比較対象として、
ハイレベルなもの=清酒(蔵元が造るべきもの)
がなければ、
俗にいう、どぶろくの良し悪しなど分かるはずないと思います。
導入部分としては必要だと思いますが、究極にはまず成り得ないでしょう。
どぶろくが、単に悪いと言う意味でなく、そういった性質のものということです。
そこにはそこの良さがありまた世界があります。
(酒税法のことは置いといて(笑))


>「吟醸香」は「驚き」であったことは確かですが、もしかしたら追い求めてはいけない物なのかも知れません。

私は、交通事故は車のせいだから、車に乗るな、車を作るな、というのと同じように感じます。
スピードが出やすくても操縦性に難のあるものもあるでしょう。重篤な故障しやすいとか。
それでも、それを必要とする人はいるでしょうからそれは自己責任のうちで。
しかし、そのような特定の車種が一世を風靡したからといって、それが「車」の代名詞として使われるのには問題がありますね。「車」そのものが排除されるようなこととかも。
(無理があるか・・・(汗))

まあ、店主さんにいまさら言うまでもないですが。

>個々の家庭で身につけた米の酒の味を知る事で、プロの酒である清酒の素晴らしさを理解していただくことが出来ると思っています。

私もまったくの同感です。が、酒税法の関係があるので、これ以上は言いますまい(笑)
清酒でやることと同じで難しいことに変わりないでしょう。

蔵元の話ではないですが、とある小売店さんで、お客さんから、「時代遅れの取り揃えだね(香り主体系ばっかりで食中酒向きの酒がないね)」といわれて、考え直したところがあったそうな。

そんな話がどんどんでてこないと、メーカーの意識も変わらないなんて悲しいですけど、


とにかく、

この調子で、「ガッツリ」いっちゃってください(笑)

投稿: おやじ | 2009年12月12日 (土) 12時01分

覚えていただいていて光栄です。

いかにも「自家醸造くらいでなめた口きくんじゃねぇ~」
と言われている様な、圧倒的な語彙の量ですね。
まぁ、反論はしませんが。

カラオケの出現以降、聴いている方が恥ずかしくなる様なアーティストがほとんど居なくなったのも確かなことです。

自家醸造が解禁されれば、「文化としての酒」の景色が変わるのは明白です。

私としては、1951年バイロイトでのフルトヴェングラー指揮によるベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」
の様な人類の骨肉に沁みる様な感動を与る酒に出会いたいものです。

投稿: ホーム・ブリュワー | 2009年12月12日 (土) 15時08分

ホームブリュワーさん、コメントありがとうございます。

なんだか、正直相性が悪いみたいですね、ホームブリュワーさんとは。

自家醸造くらいで云々という気持ちではないんですよ。

私が体験した「どぶろく」にロクなものがなかったもので、私の中で比較の対象になりえないんです。

それに味噌汁のダシすら取らなくなった現在で、わざわざ「どぶろく」を作る手間をかける人がどれだけいるのでしょうか。

「どぶろく」と「清酒」では、家庭の味と料亭の味の差みたいなものがあるのではないか、とも思っています。料亭に行った経験が沢山あるわけでないのですが・・・。

旨い自家醸造があったとしても(酒税法違反なので良い子は真似をしてはいけません!)、「文化としての酒」の景色が変わると思えません。

清酒製造に携わる人は、再現性を求め、他人の評価にさらされながら、酒を造るわけです。

自分で楽しむ自家醸造とはおのずとレベルが違ってくると思います。

ホーム・ブリュワーさんは、自家醸造にも劣る清酒の存在を前提の話なのかもしれませんが、少なくとも私の店では関係のない世界です。

ベートーベンは機会があれば聴いてみたいと思います。

反論はあまりお待ちしておりません。

お手柔らかにお願いします。


投稿: わがまま店主 | 2009年12月12日 (土) 17時28分

どぶろくですか。
美味しい物は本当に美味しいですね。
あるお店でこっそり飲ませていただいたのですが、プンプン系の味の濃さとは違う、米由来の厚みとコクのある甘さと旨みだけどくどくない。
その時酒ばか2号さんにも体験してもらいたくて無理いって少し分けてもらったことがあります。
ただ、店主さんの言う通り「家庭の味と料亭の味の差」、いや、もしかしたら別の飲み物って言うくらいの違いがあるかも。

そんな自分でもやっぱり飲んで本当に美味しいのは「淡い」そして「深い」味の清酒ですけどね。
ダイレクトに味のある清酒もプンプン系じゃなければ好きですが、へたをすると香りや味はそれほど感じないんだけど、その向こう側にある良く分からないけど、時にはオカルトっぽいですが気配と言うか雰囲気と言うか空間と言うか、何かを感じるお酒。
まあ、そこまでのものは今までほんの数回位しか経験は無いですが。

いつか店主さんとお話ししたかも知れませんが、自分なんかは米の旨いまずいは良く分かりませんが、とにかく小さい時から主食が米で、体が米の味を覚えている人間にとって、清酒の方が風味になじみがあるし体にも合いますが、今の多くの日本人の主食が小麦由来で風味のあるパンや麺類が多くなり、その分風味が淡い米を食べる量が減り、米の味にもなじみが薄くなった日本人にとって、「淡い」そして「深い」味の清酒はたぶん分かりづらいんじゃないかと思いますね。

プンプン系の時代を変え、清酒の消費量の減少を食い止めるためにも、まず日本人の主食を米にするようにしないと将来は厳しいのかもしれませんね。
まあ米にしてもコシヒカリのような味や粘りのあるものが人気なのもちょっと考えものなのかと思っています。そんな自分もラーメン大好きなので他の人の事は言えませんが…。

投稿: 酒ばか1号 | 2009年12月13日 (日) 00時55分

おやじさん、いつもコメントありがとうございます。

私も普段は、アンチ吟醸を標榜しておりますが、
プンプン出現前のかつての「吟醸造り」は後世へ伝えるべき技術だと考えています。

良い蒸米が蒸しあがり、良い麹を作り、健全な酒母を経て順調に発酵が進んだ時に、初めて出る「吟醸香」であれば飲んでもおいしいと思える吟醸なんだと思います。

バイオ酵母により「カプロン酸エチル」を出そうとする発想は、化学調味料「グルタミン酸ナトリウム」を微生物で発酵させて取得するのと同じ発想です。

と、必ずプンプン批判になってしまいますね。

今後もプンプンが陳腐化するまでガッツリいかせていただきます。

酒ばか1号さん、いつもコメントありがとうございます。

今までもコメントを放置したままにしたりとわがままにブログを書いておりましたが、まもなく、枯れ野原のような状態になります。

お互いの経験を背景にしたコメントのやりとりは私も大変勉強になりました。

また、来春にはよろしくお願いします。

皆さん、お元気で。

まあ、今後もわがままに更新するとは思いますが。

投稿: わがまま店主 | 2009年12月14日 (月) 11時45分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/516076/46984012

この記事へのトラックバック一覧です: オチとかサビとか・・・:

« 「ほんものを食う会」にまつわる不思議な話 | トップページ | ドライ クリアー リッチ »