ブログを書く時間がもったいない
と思うくらいに外の景色がきれいで、朝からお店の前の椅子に座ってボーっとしていました。
ということで、今日は手短に。
ある蔵元さんから、今年の米が硬いという情報が入りましたので、硬質米の浸漬・蒸きょう方法を調べました。
硬質米といえば東北地方の米。
東北で発行された戦前の文献を見ました。
まずはこれ。「東北地方酒造参考書」大正5年2月発行。
大正3、4、(5)年は全国的に大腐造が起こった年として知られ、その真っ只中に発行された本です。
精米歩合が高く、参考になりませんでした。ただ、この本は当時の東北地方の仕込唄、酒造用語、数え言葉が詳しく書いてあるので、酒造技術書の中でも貴重な本だと言えます。
9年ほど経過して出された「酒造注意書」大正13年11月発行。
本の書き込みに「郡山の山口酒造店(現・笹の川酒造)にて花岡正庸先生から頂戴した」との記述があります。
実地指導の際に配ったもののようです。
この本には「吟醸」の記述が見られます。
浸漬時間はごく当たり前の記述で、軟質米は短時間、硬質米は長時間に、ということが書いてあります。浸漬時間は仕事の都合上一定であるところが多いようで、酒造技術がまだ確立されていない時代だったようです。
良好なる蒸米を造る方法として、「秋田式甑」を推奨しております。図がないのが不親切です。
また、蒸米を適度の軟らかさに蒸す法として、撒水法(シト打法)を挙げ、米を蒸す時に水を撒くという方法が書いてあります。ただ、この方法に関して、中村政五郎氏は後年の「蒸米からみた酒造」において強烈な反駁を加えております。
「秋田式甑」は、花岡正庸氏著「酒造提要」(大正13年1月発行)に図が書いてあります。
現在の甑穴一つというのではなく、甑の大きさに比して3~6個甑穴が開いているものです。「楯の川酒造」さんで持っているのを聞いたことがあります。
この本においても、「良麹を得る最大要点は先づ良蒸米を作るにあり」としています。
花岡正庸氏は、良好な麹を指して「膨軟寡湿麹」と命名し推奨しています。これは私が以前に言った「ボムボム麹」と同じだと思います。
ただ、この当時の花岡正庸氏は、強く蒸すと米が硬くなると信じていたようで、秋田式甑や撒水法(シト打法)を推奨しております。
これらの方法では「外硬内軟」の蒸米を得ることができなかったのでは?と推測します。
その証拠として、昭和9年に発行された日本醸造協会東北支部「清酒吟醸要訣」には、秋田式甑の記述がありません。
この昭和の初期の醸造技術の進歩には驚かされます。
しかし、この本を菊姫ライブラリーの第一弾にした人はセンスがいいですね。
と、ここらへんでお酒の宣伝もたまにはしましょう。
龍勢 寿司酒(すしざけ) 備前雄町 精米歩合60%
1.8L 3,150円(税込)
720ml 1,575円(税込)
豊かな米の旨味を感じるフルボディの酒です。
お寿司に合う酒とありますが、米沢牛のステーキにも負けないようなしっかりとした骨格の酒です。
米をきちんと蒸すとこういう味になるという典型だと思います。
完熟蒸米の酒「龍勢」。
ご注文はこちらからどうぞ。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


候補第一位は・・・、「最新 清酒醸造法(増補再版)」(大阪税務監督局編)(昭和10年)!!
「酒造乃心得」って、どこかで見たことがあるような?と思った方は、記憶力が良い方です。尾瀬あきらさんが書いた「奈津の蔵」で、奈津が酒造りを覚えるために読んでいた本です。



最近のコメント